将来、専門家として国際社会で活躍したいと考えている人達の最初の一歩である「大学院進学」。 |
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3.筆記試験 ※あくまで、個人の経験や感想に基づくものです。 大学院入試は、大体、秋期日程(8月下旬〜9月中旬)と冬期日程(1月下旬〜2月上旬)の2回ありますが、ほとんどの大学院は、秋期の1回です。(この時期とは出願・試験日程をずらしている大学院もあるので、必ず、各大学院の募集要項を確認してください。)
プロセスは就職活動とほぼ同じで、志望理由書、研究テーマ、研究計画などを記した提出書類に加えて、筆記試験(専門科目・外国語)と口述・面接試験などを行います。 最近は、外国語試験の代わりに、TOEFL(or TOEIC)のスコアの提出を義務付けている大学院もあります。TOEFL/TOEICは申し込みから結果が出るまで最低でも1〜2ヶ月かかります。早めの対策と受験をしておきましょう。(特に、国際系の学問は、高い基準の英語力が求められます。) 合格ボーダーがどのように設定されているかは大学院によって異なるので、一概に採点基準を出すことはできません。 複数の筆記試験(外国語含む)がある場合、各試験でボーダー(合格点)を設定していることもあれば、専攻希望の科目を基準として、総合点で合否を決定する場合もあるようです。つまり、極端な場合、1科目が限りなく0点に近くても、合計が合格基準を上回っていれば合格になる場合もあるということです。 また、筆記試験が合格基準を満たしていても、口述試験・面接の内容によっては不合格になる場合もあります。 特に、「研究計画書」の提出が求められている場合、研究内容の「新規性」「独創性」など、実際に論文を書く際に重要となる点の理解がこの時点で求められているので、結構難しいです。
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大学院によって記載内容は微妙に異なりますが、基本的に、大学院の「志望理由」と「研究テーマ」を記述します。 「研究テーマ」は、大学院によっては、「研究計画書」という形式で提出させるところもあります。
志望理由は、「研究テーマと大学院の特徴の関連性(マッチング)」と「将来のキャリアプランニング」の2つを軸にして書いた方が、読み手にも分かりやすいでしょう。字数制限が少ないので、大学院の特色と自己の研究テーマ、その研究を将来にどう結びつけるかを記入するだけで、ギリギリの分量になると思います。
研究・関心テーマ、その「タイトル設定」も含め、研究課題(問題認識)、研究目的、研究方法(アプローチ)、そして研究によって得られる結果、これらをまとめ、「研究テーマの良さ」、そのための基礎知識・分析力が身に付いていることを示します。
研究内容(研究計画)に記述する内容は、一般的に、@問題の所在、A研究目的、B研究方法、C先行研究、D研究のインパクト、の5点でしょうか。
@問題の所在は、「分析力・論理性」を記述。現状どこに問題があるのか、なぜそれが問題なのか、着想に至った経緯などの説明します。客観的・科学的事実の積み重ねから根拠づけます。(本当に、そのテーマ・問題を今研究することが重要か。既に論証・明確化されていたり、自分が[勉強不足で]気づいていないだけだったりすると致命的。)
A研究目的(意義)は、論文執筆でも最も重要な点です。研究で「なぜ、今、そのテーマを研究するのか」ということ。@とDに繋がります。ただ、問題を分析・整理するだけか、新しい理論や解決策を提案をするのか・・・、上げればキリがありませんが、要は、「何を自分が言いたいのか」。
B研究方法は、学問分野(discipline)や視点(view)は何かということです。テーマによっては、
C先行研究は、自分の研究テーマが「新しい」ことを示すためと、研究のための基礎知識が身に 付いていることを示す部分です。自分の研究テーマが、まだ十分に研究されていないことが示せなければ、「研究意義」も失われます。この点は、研究テーマの 設定が適切かを見極める部分にもなりますので、常に意識しておきましょう。
D研究のインパクトは、結局は論文の結論に当たるものなので、十分な論証なくしては結論の先取りになってしまうのですが、ここでは、「研究の意義」を再説明するのでも良いと思います。研究の進め方では、思わぬインパクトが判明することもあります ので、ここでは、「展望」(〜になれば)でも良いと思います。
研究計画を見直したときに、「今までのおさらい」的研究になっていることはままあります。その研究の意義・目的、新しさ、重要性・必要性などがはっきりしていないと、大学院に来てまで研究する意味がありません。 ただし、「わからないこと」「知りたいこと」を知るためにあるのが大学院です。「ここがわからないから」「もっと知りたいから」という理由でも、研究の理由にはなるでしょう。まあ、先行研究の理解はしておかなくてはなりませんが。 記述する際のテクニックとして、書ききれない部分やアピールしたい部分は、質問されやすいような内容にしておくことです。事例や研究者、説、等を引用すれば、どれほど理解しているのか確認するため大抵は質問をしてきます。口述の際にもこちらから質問を誘導したり、アピールしたいことを質問してくるように工夫しましょう。 |
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通常は、専門科目試験と外国語試験です。専門科目試験がなく、語学試験と事前に提出した研究計画書に基づいた面接のみの大学院もあります。
過去問題を公開している大学院
各試験対策は、参考文献も合わせて参照してください。
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ここにおける定義は便宜上以下の通りにしますが、必ず各大学院の要項を確認してください。それほど、「口述」・「面接」という名称に差はありませんが。
形式=試験監督3〜5人、15〜30分、バライエティに富んだ試験官(各分野から)
試験型(oral examination)= 「口頭での試験」とイメージすればよいでしょうか。主に、口述は主に研究計画に関して、各試験管から質問がなされます。 試験官は国際法・国際関係・国際政治・経済等、各専門の方から多角的に行われることがあるので、専門外からの質問には答えにくい、というか答えても反応が鈍い場合もあります。但し、「正答」が必ずしもあるわけではないので、論理・分析力が試されていると思います。 また、筆記試験のことについて問われることもあります。「なぜ、この主張をしたのか」、「〜という主張に対する反論として何が考えられるか」などです。
面接型(interview)= 比較的、筆記試験等の内容よりも人物判断や適性に比重があるのではと。研究内容に関する重要性は変わりませんが、試験内容というより、試験の感想、研究テーマを選んだきっかけ、その大学院の志望理由、キャリアプランニングなどについて聞かれます。 ただ、研究計画書・志望理由書の中身がその大学院(先生) と合わない、研究として成り立たない場合は試験の出来に関係なくアウトになることもあります(そのテーマだと、この大学院の先生では教えることが難しいなど)。
提出書類はしっかり推敲しましょう。答えた内容によっては、アカデミックな質問に発展していきますので、誘導的な質問には 気をつけましょう(試験問題的な質問が苦手な人は)。 入試に専門科目がある大学院で、面接等のときに筆記試験の内容を特に聞いてきた場合は、「筆記試験の内容が悪かった」ということが多いようです。しかし、面接で聞いてきたということは「リカバリーチャンス」ですから、書いた内容を覚えて、後でしっかり調べてから答えましょう。
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